2016 年 51 巻 3 号 p. 728-734
近年注目を集める自動運転技術を搭載した自動車(SDC)の導入は都市における人々の交通行動に大きな影響を及ぼし、結果的に都市構造も影響を受けることが考えられる.本研究では独自に実施した意識調査と全国都市交通特性調査による大規模な交通行動調査の結果を結合することを通じ,個人のSDC利用意向に影響を及ぼす要因,およびSDC利用意向と都市属性の関係について検証を行った.分析の結果,1)運転することが好きな人やステータスと感じている人はむしろSDCを利用しない傾向にある,2)現在運転をしておらず,自動車の安全性が改善されると感じる人はSDCを利用する傾向にある.3)個人の運転距離が長い疎な構造を持つ都市においてSDC利用意向率が高くなることが定量的に示された.