都市計画論文集
Online ISSN : 2185-0593
Print ISSN : 0916-0647
ISSN-L : 0916-0647
学童保育拠点の定員確保のための地域資源を活用した拠点拡充配置の検討
都内3区を対象とするケーススタディ
山田 あすか讃岐 亮
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2016 年 51 巻 3 号 p. 881-887

詳細
抄録

放課後のこどもたちの活動の場である学童保育拠点は,就労支援や児童福祉の観点から,ますます拡充が求められている。その際,コストや整備期間の短縮といった観点からは地域資源の活用が有効であると考えられる。本研究では,都内の学童保育拠点の設置状況(単位面積あたり拠点数,1拠点あたり定員)が異なる3つの区を対象としたケーススタディとして,学童保育拠点の配置と,定員の過不足についての検証を行う。また,定員が不足する場合には拠点増設を想定し,[将来想定]条件での将来的なニーズの把握とそれに対応した拠点整備効果の検討を行った。拠点分布に偏りがある場合の利用圏域の調整など現有資源の有効活用,ならびに地域資源の活用を想定して拠点の圏域と定員の調整を行い,将来的な利用児の増加に対する対応可能性を示した。この成果は,高学年児童も受け入れる学童保育制度への移行や,1人あたり面積の拡充等に向けた道筋となる資料として一定の価値があると考える。

著者関連情報
© 2016 公益社団法人 日本都市計画学会
前の記事 次の記事
feedback
Top