都市計画論文集
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ボランティア・ツーリスト団体がイベント開催地域との協働で果たす役割の時系列変化に関する研究
「小樽雪あかりの路」における韓国人ボランティア団の事例をもとに
依田 真美
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ジャーナル オープンアクセス

2017 年 52 巻 3 号 p. 1240-1247

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抄録

ボランティア活動を旅行の目的とする「ボランティア・ツーリズム」は、受け入れ地域とツーリスト双方にメリットのある関係性を構築すると期待されている。しかし、一方で、作業の効率性や仕事の質に関する問題も指摘されている。そのような問題に対処するための方策としては、同ツーリズムを継続した活動ととして捉えることが挙げられる。そこで、本研究では、北海道小樽市で毎年2月に開催される「小樽雪あかりの路」を10年以上に渡って支援してきた韓国人ボランティア団「Otaru Snow Light Festival Korean Volunteers (略称OKOVO)」を取り上げ、同団体が地域との協働において果たす役割を時系列に沿って整理し、その変化の要因を明らかにした。分析の結果からは、ボランティア・ツーリストの役割は 「創造性が低く、重要性も低いもの」から「創造性も重要性も高いもの」へと変化することを明らかにし、その変化を促進する要因としては、「自律性」、「ボランティア・ツーリストの組織化」、「受け入れ地域による受容」、「活躍の場の供与」、「建設的な交流」であることを示唆した。

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© 2017 公益社団法人 日本都市計画学会
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