2017 年 52 巻 3 号 p. 704-710
本研究では都市平面の領域内々移動,ならびに異なる領域間の移動に対して,連続型の重力モデルを適用する.まずアクティビティが一様に分布する円盤領域に関して,冪型重力モデルと指数型重力モデルの双方を導入し,内々トリップ数と領域間トリップ数を解析学的に追求する.次に,指数型の重力モデルに特化して,東京23区のODデータへの適用を行い,領域内々モデルと領域間モデル双方のパラメタ推定を,非線形最小二乗法によって実行する.本モデルは交通量の解析解にもとづくものである.そのため,これまでの重力モデルとは異なり,ゾーン間距離を外生的に準備しておく必要がない.このことは特筆に価するものと考える.