2017 年 52 巻 3 号 p. 747-753
2015年3月第12回国家戦略特区諮問会議で都市公園法における保育所の設置が解禁された。横浜市では、2015年に、先進的に保育施設による公園活用とマネジメントの在り方についての研究会を立ち上げ、保育施設と公園との両者有益な関係性、保育施設による公園活用とパークマネジメントの可能性について試行を重ねてきた。本稿はその検討のプロセスについて報告するとともに、今後新たなパークマネジメントの担い手となりうる保育施設の可能性について速報的に言及したものである。多分野の専門家と保育対策・保育整備、公園管理の行政担当者が、子どもの育ちや近隣で育まれる環境づくりのエビデンスを元に、近隣との関係づくりの突破口として、保育施設を公園活用して設置する際の基準づくりやパークマネジメントの一端を担えるための手続き改正の提案を行い、実施してきたことの成果は大きい。公園内に保育施設を設置できる規制緩和が始まって2年が経過し、全国には公園内に設置された保育施設事例が蓄積されてきたことを踏まえ、それらの事例の俯瞰的整理を行いながら、その後の評価・検証をしていくことが、今後の課題である。