本研究は平成の平成の大合併の行われた都市を対象に公共施設再編の実態を明らかにし、特にその立地選定要因や適正配置への適合性の観点から計画的課題を明らかにすることを目的とする。アンケート調査による公共施設の再編事例把握によって、(1)約7割の自治体で再編実績があるが、都市ごとに実績格差が大きく、全体で見ると公共施設再編は遅れていること、その中で、再編事例が最も多い施設は学校教育系施設であること、(2)再編の内容は「統合」が約6割を占め、これを敷地ベースの移行パターンで見ると5パターンがあること、(3)主要な6種の存続施設について立地選定要因を見ると、「敷地の広さ」が最も重視されていること、(4)公共施設再編計画は策定されつつも、実際の再編にこれが生かされた事例はまだ少なく、また公共施設再編計画に都市計画的観点からの立地的基準が示される事例は少ないこと、等を明らかにした。