2018 年 53 巻 3 号 p. 943-950
2020年の東京オリンピックが近づく中で、政府による「日本再興戦略2016」や「未来投資戦略2017」等において地域活性化の拠点としてスタジアムに期待が寄せられており、スタジアムと周辺地域の一体的な開発の重要性が指摘されているが、「後発型プロスポーツ」であるJリーグのホームスタジアムは、例えば、市街化調整区域内にスタジアムが立地する等、開発を慎重に進めざる得ない場面もみられよう。本研究は、地域密着型スタジアムの具体像を描く上での基礎的調査の報告であり、2017年にJリーグ全チームのホームスタジアムの施設特性と立地特性と俯瞰的に明らかにすることを目的とするものである。本研究を通じて、これらのスタジアムを「市街地型スタジアム」「郊外型スタジアム」「フリンジ型スタジアム」と分類し、それぞれについて開発の可能性を議論した。