本研究は、ポートランド市の95地域組織(NA)を対象としてその活動実態を整理するとともに、コンパクトシティ政策への参加意識と住民参加が与えた影響、NAの活動特性との関係性を明かにすることで、日本においてコンパクトシティ政策を進める上で有効となる自治会等の地域組織と行政との連携手法及び市民参画に資する知見を得ることを目的とする。ヒアリング調査によりポートランド市のNAの仕組みを把握し、ネイバーフッド担当部局のNA活動リーダー・データベースを用いオンライン方式アンケート調査(回答数128名、回収率40.3%)を行った。主成分分析の結果、NAの活動特性を説明する①活動の活発性、②都市密度・CN性、③コンパクトシティ政策への積極性、④社会福祉活動の指向性の、4つの特性軸が明らかとなり、また5つのグループに類型化と比較分析することで、グループ別特徴と共に、(1)地域組織の市民参加を促進する方法、(2)地域組織内の小委員会の存在、(3)まちづくりリーダーの役割について知見を整理している。