都市計画論文集
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イタリアの土地利用規制を伴う風景計画と風景アトラスの策定状況に関する研究
州の「風景区域」、「風景テーマ」、「風景アトラス」、「風景計画図」の比較
宮脇 勝
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2020 年 55 巻 3 号 p. 1431-1438

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抄録

本論は、イタリアの土地利用規制を伴う風景計画の策定状況を調査し、州の「風景区域」の区分、「風景テーマ」の設定状況、地域のアイデンティティとなっている風景資源を表示し、広く解説する「風景アトラス」と「風景計画図」の図面を比較分析した論文である。2020年4月までに州全域の風景計画を計画決定した5州と計画案を公表している12州の内容を比較した結果、「風景区域」区分に地域コミュニティを重視して基礎自治体の境界線を反映して束ねる州と、風景特性を重視して基礎自治体の境界線を用いない州とに分かれた。そして「風景テーマ」を比較した結果、「自然保護エリア」および「風景財」の表示はすべての州で確認され、大学研究者等が作成に中心的な役割を担い、多様な「風景テーマ」が新しい風景計画に導入されていることが顕在化できた。また、市街地拡大による土地の消費を抑制するコンパクトな広域土地利用規制を用いている点、風景計画のWeb GISを11州と2自治県で導入済みである点、再生可能エネルギー施設について、風景を保護する目的で州の風景計画で立地を規制し、基準を定めている例が明らかになった。

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