都市計画論文集
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地方都市の公立小中学校の再編と非市街地部における拠点設定の関係に関する研究
秦 瑞希浅野 純一郎
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2020 年 55 巻 3 号 p. 197-204

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抄録

本研究は、地方都市の公立小中学校の再編実態を都市計画的観点から明らかにするとともに、非市街地部に存在する学校の拠点設定や拠点性の実態を示し、両者の関係性を明らかにすることを目的とする。調査結果から、1)地方都市の公立小中学校の再編の70%が非市街地部で起こっていたこと、2)公立小中学校へ都市マス上の拠点設定がされている事例は、休閉校が40校、存続・新設校が55校であり、非市街地部に立地するものが最も多いこと、3)学校再編と拠点設定の関係には、生活維持を担う施設を中心とした拠点エリアの併設施設群の一部に再編された学校が追加されてまちの中心に一体的な拠点を形成している「他中心施設併合拠点型」と学校の拠点性をつかって小さいレベルで拠点を形成している「学校中心小拠点型」の2型があること、4)市役所の支所があることで一体として学校に拠点性をもたせることができ、市役所の支所がない場合でも一定の生活利便施設の集積があることで学校に拠点性をもたせることができると考えられること等を明らかにした。

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© 日本都市計画学会
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