2021 年 56 巻 1 号 p. 54-62
本稿の目的は、再統一後のベルリン都心部の大規模市立公園に関わる政策潮流とグライスドライエック公園の事例調査から、マクロ・ミクロの実態を明らかにすることである。包括的な文献調査と2019年9月に実施した現地調査、インタビュー調査から、以下の3点が明らかになった。1.再統一後のベルリンでは、段階的に市立公園の量的・質的充実化が実施された。2.グライスドライエック公園では、継続的な市民参加と公共セクターとの協働により従前の土地利用を活かし、かつ多世代型・多目的型の公園が実現化した。3.ベルリンでは市立公園の整備や管理運営は公共主導と理解できるが、背景や考え方は必ずしも本調査では明らかになっていない。