都市計画論文集
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電柱と山との重なりに着目した沿道シークエンス景観の数理的考察
鮑 星宇小林 隆史大澤 義明
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2021 年 56 巻 3 号 p. 1184-1190

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抄録

筑波山は日本の百名山であり,茨城県南で重要な観光資源となっている.しかし,筑波山を見上げると電柱によって視界が遮られることが多々ある.2005年に茨城県が主催した筑波山ベストビューコンテストでは,投稿された写真の多くは電柱の映り込みが無いことから,逆説的に,筑波山への眺望において電柱が低く評価されていることがわかる。そこで,本研究では沿道景観をより享受可能となる自動運転時代を鑑み,筑波山周辺の道路景観向上に資することを目的とし,山を視対象として見通しを遮る沿道電柱の影響を実証と理論から解析した.実証では,筑波山周辺道路での電柱配置状況を電柱の位置情報データから確認し,景観への配慮を数値的に表現し,確認した.理論では,幾何モデル分析を通して,山裾と電柱とが重なる電柱本数と電柱の見えの大きさ,そしてそれらのトレードオフ関係を数値的に表現し,景観整備の視点から解釈を行った.

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