都市計画論文集
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COVID-19流行下での「郊外への分散」の発生要因
転居者の属性と転居先選択志向の変化に着目して
武田 陸久米山 幹太谷口 守
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ジャーナル オープンアクセス

2022 年 57 巻 3 号 p. 1132-1139

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抄録

COVID-19流行下では東京都で転入超過数が減少する一方で,東京都周辺の県では転入超過数が増加している.このような居住地の郊外への分散の発生には転居者の属性や転居先への志向の変化が影響していると考えられる.そこで本研究では,独自アンケートをもとに,「郊外への分散」のもととなったCOVID-19流行の影響を反映させた転居を行った人の特徴を捉え,転居者の属性や転居先選択志向の変化の観点から「郊外への分散」の発生要因を分析した.その結果,1)COVID-19流行の影響を反映させた転居の実施には職業,世帯年収,在宅勤務実施頻度などの要因が影響を与えていること,2)個人の転居先選択志向の変化には感染不安,通勤の変化,在宅時間の増加の3要素すべてが影響するわけではないことが明らかとなった.

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© (c) 日本都市計画学会
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