都市計画論文集
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新型コロナウイルス禍の下での国土レベル人口移動の特徴
福田 崚
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ジャーナル オープンアクセス

2022 年 57 巻 3 号 p. 1210-1217

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抄録

2020年に始まった社会・経済の様々な側面に影響を与えている新型コロナウイルス禍は、国土計画の観点から大きな関心のある広域的な人口移動にも影響を与えることが想定され、実際に大都市圏から地方圏への移動の拡大が観測されている。本稿では、住民基本台帳人口移動報告を通じて把握した都道府県間人口移動のデータに基づき、修正重力モデルを利用して新型コロナウイルス禍の下での人口移動の特徴を把握することを試みる。結果、所得が低い地域へ、あるいは一人当たり居室面積が大きい地域への移動が相対的に生じやすくなる傾向が確認された。また、短期的な変化を見ると、発地の場合は感染拡大時に一度人口移動が抑制された後、回復し従前を上回る移動が生じるのに対し、着地で感染拡大が生じた場合は人口移動の回復が確認できないことが明らかになった。

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© (c) 日本都市計画学会
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