都市計画論文集
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パーソナルデータを用いた交通行動と歩数ならびに生活習慣が健康指標に与える影響に関する構造分析
平出 ハル松中 亮治大庭 哲治田中 皓介
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ジャーナル オープンアクセス

2022 年 57 巻 3 号 p. 638-645

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抄録

本研究では、コンパクトなまちづくりを推進し、公共交通中心のまちづくりを行うことで健康増進にどのような影響が与えられているのかを明らかにするために、富山市民を対象とした「交通と健康モニタリング調査」を実施し、交通手段利用状況、歩数、健康に関する基礎的な指標を分析し三者の間にどのような関連があるのかを分析したうえで、公共交通や車の利用等の交通行動が健康指標に影響を与えている構造を分析した。交通手段利用状況、歩数、健康の三者間のそれぞれの関連性分析の結果、有意な関係性があることが確認されたものの、生活習慣も健康指標に影響を与えている可能性があることが示唆された。さらに交通行動と歩数、生活習慣が健康指標に影響を与えている構造を分析した結果、男女に差はあるものの、歩行時間や公共交通利用時間が歩数に影響を与え、その増加した歩数が基礎的な健康指標に有意に影響を与えているという構造は男女共通して確認された。

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