都市計画論文集
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第二次大戦前の大正・昭和期における「運動場問題」の構図に関する研究
公園・緑地関係者の言説に着目して
花内 誠中島 直人小泉 秀樹永野 真義
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2022 年 57 巻 3 号 p. 863-870

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抄録

日本のスポーツ施設が整備され始めた大正から昭和戦前期を対象に、その時代に発生した運動場問題について、問題発生の経緯や解決に向けた検討を含めて問題の構図を明らかにすることを目的に、当時の言説を文献調査した。運動場問題とは、都市の自由空地に静的レクリエーションの場としての公園と動的レクリエーションの場としての運動場のどちらを設置するかという問題であった。公園側は、公園を本位として運動競技を行うことができる場所を運動公園という新しい概念を提示することで解決を図り運動公園を中心にスポーツ施設が整備されるようになった。その結果、日本におけるレクリエーション・ムーブメントはアメリカやドイツとは違う発展を示し、現在の日本スポーツ環境に影響を与え続けている。

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