2023 年 58 巻 1 号 p. 101-109
創造都市を軸とした都市再生を図る上で、産業振興策後の創造産業に従事する者の活動実態や立地選好を継続的に確認することが、より望ましい拠点施設の設置や振興策の立案に必要な作業となることは明らかである。以上の問題意識のもと、創造都市施策を実践する横浜市における創造産業分野の動向調査を行う。具体的には、2009年度と2016年度の経済センサス統計調査を用いて、全国と横浜市の創造産業の事業所と従事者の増減を確認する。また、それらの調査を踏まえて、横浜市都市部に位置する関内・関外地区で活動するアーティストやクリエーターについて調査を行う。アンケートでは、先述の統計調査からは見えにくい活動実態や立地選好、産業振興策との関係について質問した。結果として、産業振興後のアーティストやクリエーターの集積状況や活動実態を明らかにし、文化芸術事業が与える影響を捉え、今後の芸術文化事業と事業所誘致のあり方について知見を得ることができた。