本来必要な場所に拠点が設定されないことで,生活サービスまで最低限のアクセス水準を下回る地域が発生することが危惧される.反面,公平性を重視して拠点を過剰に設定すると拡散化計画になるため,客観的な選定基準に基づく広域的な拠点設定が求められている.本研究では,広域的に拠点を抽出する手法を提案し,階層別に拠点の到達圏人口を把握した.その結果,(1)鉄道駅のような上位拠点のみでカバー人口70%を確保しようとすると,自動車を使わざるを得ないこと (2)一方,コミュニティ施設等の下位拠点を設定することで,徒歩・自転車により均霑的に拠点へ到達可能な人口を増やせることが明らかになった.