本研究では、地方都市における担い手不足や開発需要の低下により疲弊しつつある背景から、小規模な事業を起点とした面的な再生が期待される中で、起点となる自社事業を事業化させるための工夫、その後どのように展開したかに注目して、1)起点となる自社事業の事業化に向けた工夫、2)取組全体を通じた連鎖的展開プロセスと成立要因について明らかにすることを目的とした。結果として、取組は3つの段階(取組前段階・事業化段階・事業波及段階)に分けられ、1)自社事業の事業化に向けた工夫としては、企画デザイン、情報収集・発信、組織体制の3つの視点で明らかにした。2)連鎖的展開の成立要因としては、主な成立要因を立地条件や周辺環境、事業成立のための性質、人的なつながり、ローカルな情報という4つに分類し明らかにした。