都市計画論文集
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空き家の発生分布と都市環境に関する時空間解析
岡山県倉敷市を対象に
髙橋 紘輝氏原 岳人安藤 亮介樋口 輝久
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2024 年 59 巻 3 号 p. 501-508

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抄録

本研究では,地方都市である岡山県倉敷市を対象に空き家の発生分布の現状及び経年的な変化と都市環境との関連性をモデル化するとともに,複数エリアを対象に空き家になった後の土地利用変化を詳細に追跡した.分析の結果、1)土地利用規制やインフラ整備,立地などの都市計画的要素と空き家の発生の程度や傾向に,統計的に有意な関連性があった.2)良好な居住環境の市街地を計画的に整備した地域において空き家の発生が抑制される傾向にあった.3)用途規制の比較的弱い商業系地域では,空き家が多様に活用されていたが,市街化調整区域では活用が制限されるなど,空き家の活用や除却には土地利用規制が影響していた.4)立地条件の悪い非集約エリアにおいて空き家が増加する傾向がみられ、開発圧力が弱く今後も空き家のまま放置される可能性が高いため,増加する空き家への対応が求められる.

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© 2024 公益社団法人 日本都市計画学会
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