2025 年 60 巻 3 号 p. 1353-1360
近年、日本の地方都市では、コンパクト・プラス・ネットワークによるまちづくりが進められ、歩行者中心の空間を創出する「ウォーカブルなまちづくり」が推進されている。しかしながら、多くの自治体では、優先的に整備すべき街路の評価手法が十分に構築されていないなどの課題に直面している。そこで本研究では、スペースシンタックス理論に基づく街路ネットワーク特性と現地調査に基づく街路の空間特性を分析し、その特性と関係性を明らかにする。さらに、街路の空間特性と景観印象評価を用いて、独自の「ウォーカブル指標」を定め、街路ネットワーク特性と組み合わせることで、街路整備の優先度や街路の特徴ごとに4つの街路タイプに分類する。このような地方都市における街路の空間特性や評価手法を今後の「ウォーカブルなまちづくり」の展開に活用できる知見としてまとめる。