日本土木史研究発表会論文集
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山梨県笛吹川水系に現存する戦前の橋のデザインについて
樋口 忠彦松下 英志
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1983 年 3 巻 p. 177-180

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抄録
山梨県笛吹川水系に架けられている約600の橋のうち, 第二次世界大戦前に架設された近代橋は16橋現存している。このうちの9橋については設計者を明らかにすることができた。設計者にたいするインタビューと実地調査を通して明らかになった16橋のデザイン上の特微は、次のとおりである。桁にハンチが、床版端にモールヂングがほどこされ、橋脚と橋台の上縁部にコーピングがほどこされ、橋に力感を生み出していること。親柱や高欄等人目に触れる部分に装飾的デザインがなされていること。高欄の小柱, 持ち送り, 垂直補剛材, 橋脚を鉛直にそろえ、スパンごとにまとまりのあるデザインになっていることなどである。さらに, 土木技術者と建築技術者とが役割分担して設計していたこともあきらかになった。
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