土木史研究
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東京市街線鉄道高架橋の設計
市原 久義片寄 紀雄贄田 秀世
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キーワード: 明治後期, 鉄道, 設計
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1990 年 10 巻 p. 65-74

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抄録

JR山手線及び京浜東北線の走っている新橋駅の浜松町方汐留橋架道橋と東京駅の神田方銭瓶橋高架橋間 (延長約2.8km) は1900 (明治33) 年から1910 (明治43) 年にかけて建設された日本で最初の市街地における鉄道高架橋である。その構造は煉瓦造の連続アーチ橋と道路交差部の有道床鉄桁で構成されている。
最近、これらの設計図の一部が確認され、これを整理分析した結果、記されているサイン等から設計者、設計年月等が明かになった。架道橋の設計図に残されているサインは当時逓信省の高等技術顧問であったドイツ人フランツ・バルツァーと山中新太郎外5人の日本人技術者との連署であることから各種文献に記述されているフランツ・バルツァーによる設計・審査であることが裏付けられた。しかし、煉瓦造連続アーチ橋の設計図には設計者のサインはなく鉄桁と同様フランツ・バルツァーによる設計なのか否か明らかにできなかった。

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