土木史研究
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文献から見た品川台場
石崎 正和
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キーワード: 近世, 台場, 石垣
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1992 年 12 巻 p. 403-408

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抄録
幕末の混乱期、異国からの開国要求に対応して海岸防備が進められる中で、急遽築造された品川台場は、鎖国政策の転換に伴って築造が中止され、幸いにしてその役割を果たすことなく放棄された。今日、第3、6台場のみが残されているが、わが国の伝統的な土木技術と西欧軍事技術の折衷によって築造された貴重な土木遺産である。この品川台場に関する文献資料は数多く、これまでにも歴史的な側面からの研究成果は郷土史などとしてとりまとめられているが、近世土木技術史といった側面からの研究は少ない。本稿では、品川台場に関する文献資料を基礎として、わが国最初の海上台場である品川台場築造の目的と背景から施工に至る経緯を概観し、品川台場の土木史的な特徴を明らかにすることを試みた。
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© 社団法人 土木学会
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