1996 年 16 巻 p. 451-458
今後の道づくり、地域づくりを考える上で, 道路が今まで果たしてきた役割について知ることも必要と思われる。古代の道は蝦夷に対する軍事補給路であり, また貢ぎ物の道でもあった。しかし, 同時に諸文化をも運んできた.戦国の峠は軍事上の押さえとなり, 政治, 経済の玄関口として重要な位置を占めた.近代は交通の発達に伴い急速に整備が進みました。今また時代の背景を受け「エコロード」など新たな道路整備が進められている。本調査は、秋田県の政治・経済・文化に対し重要な役割を果たして来た雄勝峠、鬼首峠の歴史的背景を調べ、21世紀の道づくりへのひとつのヒントとするものである。