土木史研究
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岐阜県八百津町「旅足 [たびそこ] 橋」について我が国唯一のFlorianopolis橋型の吊橋
山根 巌
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1996 年 16 巻 p. 531-540

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抄録
旅足橋は、木曽川中流の岐阜県八百津町において、丸山ダム [関西電力] の設置に伴う補償代替道路として、木曽川支流旅足川の合流点に、1954年 [昭和29年] に架設された「下路型単径間補剛トラス吊橋」である。支間114m、幅員4.5mで、支間の中央二分の一部分の補剛トラス上弦材を主ケーブルが兼用した、合理的な吊橋である。
この吊橋は、アメリカの吊橋の大家D.B.Steinman博士の設計により、1926年ブラジルに架設された南米最大の吊橋Florianopolis橋の型式を導入した特異な吊橋であり、世界で5橋架設されているが、我が国では唯一の型式である。
現在は、国道418号線のバス路線の一部として、地域交通の要となっているが、洪水防禦を目的とした新丸山ダム [高さ122.5m] の嵩上げ工事の為に、2002年 [平成14年] には撤去の予定となっている。
ここでは、旅足橋のこの型式への選定の背景と、吊橋としての歴史的、技術的な意義を検討して報告する。
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