土木史研究
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甲突川5大石橋群に見る治水システム
吉村 伸一
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キーワード: 1845-49年, 石橋, 総合治水
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1997 年 17 巻 p. 469-474

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抄録

肥後の石工・岩永三五郎が建造した甲突川の5大石橋 (1845-49年築) は、1993年8月6日の豪雨 (以下「8・6水害」) によって、武之橋と新上橋の2橋が流出。鹿児島県は、河川改修の支障になるとして、残った3橋 (玉江橋, 高麗橋, 西田橋) の「解体移設」を決め、5大石橋はついに甲突川から姿を消した。筆者は、甲突川の石橋群を治水システムとして評価することを提起したい。5大石橋を治水システムとしてとらえたならば、甲突川の治水戦略も違ったものになったであろうし、江戸期最大級の石橋群を現地に生きて保存する道が選択されたであろう

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