抄録
わが国の空港整備制度は、昭和30年代にその大凡の枠組みが構築され、その後の全国空港ネットワーク形成に貢献してきた。しかし、近年の国際旅客・貨物の急増、空港用地費の増大など経済・社会的な変化に対して十分対応しえない側面を呈してきている。今後の日本社会の国際化・産業構造の変革などを進めるためには、空港整備制度、特に大規模空港の整備をより適切かつ効率的に進めることが重要である。本論ではこうした環境変化と空港整備制度が抱える課題について整理し、そのうちの代表的な3つの論点についてより具体的な分析を併せ深度化して提示した。