1996 年 13 巻 p. 185-192
本研究は, パーソントリップ調査にもとづく交通計画プロセスの中に長期的展望に立った定性的な将来把握を新たに組み込むことを提案する. すなわち, 圏域の将来あるべき姿や方向性を具体的に示した将来ビジョンの策定を行うが, 将来ビジョンは内容に応じていくつかの将来像から成る. 各将来像は, その内容を実践するための方向性や交通計画の役割に関するシナリオで構成される.
提案方法を北部九州圏に適用し, 将来ビジョンの作成方法やアンケート調査による改訂方法について検討した. また, 将来ビジョンを踏まえた北部九州圏の総合交通整備の方向性を示し得た.