1996 年 13 巻 p. 657-666
この論文は仙台都市圏における物流問題をとり上げ、ニューラルネットワークを用いた配送トラックの最適配車・配送モデルを提案し、これを用いて仙台都市圏における流通業務団地の最適候補地の決定を行っている。この結果、以下の論点が明らかになった。1) 仙台における現状の物流は、それぞれの運送企業は最適なルートを選択しているにもかかわらず、都市交通の観点からみると非常に非効率である。2) 流通業務団地を基礎とした共同配送の導入によって8品目の配送コストが大幅に削減される可能性がある。3) 食料品について考察した結果、仙台都市圏では「仙台空港周辺」、「仙台港周辺」の2ヶ所が流通業務団地の最有力候補地である。