抄録
本報告はアジア諸国の社会基盤プロジェクトに対する開発援助の事後評価手法について検討したものである。すなわち、従来の個別プロジェクト評価ではプロジェクトの成否に関する評価は可能であるが、外的要因の究明や政策レベルで必要な情報の入手には必ずしも有効ではなく、ある特定の被援助国に対する全般的な援助効果を把握する上で限界があることを指摘した。本報告では適切な開発援助政策や援助計画の策定には開発援助プロセスの効率性や援助効果と共に被援助国の経済社会状況を大局的に把握することが極めて重要であることを指摘し、評価手法改善の方向を示した。