抄録
本研究は、高速道路の整備効果に関する効果項目の中で定性的な評価要因に着目してその評価構造を明らかにするとともに、地域社会への影響を計量化することを目的とする。そのため高速道路整備沿道地域の住民を対象とした定性的評価に関する意識調査を実施し、それをベースデータとした個人レベルの評価構造モデルと市町村レベルで集計化した市町村集計型の評価構造モデルの2タイプをそれぞれ共分散構造分析手法を適用することによってモデル構築した。さらに、この2つの提案モデルを用いて各定性的評価要因問の全体効果に関する比較分析を通じて、分析対象高速道路整備が及ぼす地域社会への影響について計量的把握を試みた。