1997 年 14 巻 p. 519-526
海外における誘発交通に関する研究をレビューし、誘発交通の定義と内容、算定手法とその課題を整理した。また、短期的な交通頻度の変化、トリップ長の変化に関する理論的考察を行った。最後に、多摩ニュータウンにおけるアンケート調査をベースに交通需要予測モデルを構築し、買物目的交通に関する誘発交通量の算定を試験的に行った。誘発交通の内容は短期的には交通頻度の変化とトリップ長の変化に分けられ、その算定に関する理論フレームは準備されている。推定された買物交通手段選択と買物頻度に関するモデルは、試験的とはいえ理論フレームに沿った交通需要予測モデルであり、モデルを適用した政策シミュレーションの実行可能性が示された。