1997 年 14 巻 p. 621-630
動的経路誘導を意図した交通情報提供が開始された。しかし、走行経路を決定するのは運転者自身であり、経路を強制されるのではない。そのため、交通情報に基づく運転者の経路選択行動が動的経路誘導の効果を左右する。すなわち、動的経路誘導を行うシステムを検討し、それを評価する基礎になるのが経路選択行動である。そこで、ここでは動的経路誘導の計画や評価に適用することを前提とした経路選択行動のモデル化について考察した。動的経路誘導効果の分析に使用する経路選択行動モデルの具備すべき条件を示し、旅行時間予測モデル、経路変更モデル、経路選択モデルからなるモデルを提案した。さらに、神戸市の市街地部を対象にシミュレーションによるケーススタディを行った。