1997 年 14 巻 p. 695-701
わが国では人口の高齢化が急速に進む中で、高齢者の交通安全の向上が重要な課題になっている。こうした中で本研究は、増加し続ける高齢者の交通事故について、トリップ時間当たりの死傷者数等の指標を用いて評価を試みたものである。その結果、夜間や歩行中において特に事故率が高いことが確認されたほか、その原因として高齢者の運動機能や夜間の視認性だけでなく、トリップ特性と交通事故の発生に関連がある等の知見を得た。
これに対し、本研究では、従来の対策に加え、地域コミュニティの形成による対策の必要性について提案している。