1999 年 16 巻 p. 297-304
本研究では、住民の買物行動を買物消費額の流動によってとらえ、地方圏において市町村間の品目別の買物消費額流動や商圏がどのように変化しているのかを明らかにした。また、買物消費額の流動モデルを用いて、買物消費額流動に及ぼす影響要因とその変化の分析も行った。その結果、日常頻繁に購入する品目においては、主に自市町村内で買物が行われていること、買回り品から高級品になるほど地域の核となる市町で買物が行われる傾向が強くなることがわかった。また、モデル分析により、年次的な変化とともに、購入先の魅力度の違いから受ける影響、時間距離の長短から受ける影響は、ともにより小さくなっていることも明らかにされた。