1999 年 16 巻 p. 707-715
本研究では, ロードプライシングの公平性を評価するために, 個人の効用の変化に着目した (伝統的な) 公平性指標と, 他人との比較によって生じる不公平感を表す超公平指標を導入した. さらに, 選好構造の個人間異質性を考慮した仮想状況を設定し, 特定のロードプライシングによる影響を推定すると共に, 提案された評価指標を用いて公平性の面からロードプライシングを解釈する数値実験を行った. また, 料金収入がロードプライシングの不公平性をどれくらい修正できるかを検討するために, 現実的にありうる料金収入の再配分方法を想定し, その結果を解釈した. これらの一連の分析から, ロードプライシングの不公平性を修正する最も有効的な方法として料金収入を道路建設の財源にする方法と通勤手当として支給する方法が結果として得られた.