抄録
本研究は、バスの事業環境と経営改善策の体系との対応関係を明瞭にし、事業環境に適した改善策を提案するものである。そのため、路線毎の企業性・公共性を素質面と顕在面とに分けて把握して路線を分類し、その類型に適した改善策を演繹的に解釈する。この知見を基に、名古屋市営バス (平成6年度) を対象に路線を分類する。その類型毎にサービス水準や経由地域等の特徴を検討して企業性・公共性の顕在化の具体的改善策を提案する。その結果、次の知見が得られた。1) 演繹的分類により改善方針の策定が可能となる、2) 実際の路線は事業環境に適した改善策を講じる余地がある。さらに、企業性・公共性の顕在化に対して具体的方策を提案した。