2000 年 17 巻 p. 67-74
本研究は, 同一方向を結ぶ複数の路線をとりまとめて需要を集約する運航形態 (路線バス型フライト) を導入することにより, 需要規模がさほど大きくない都市間の航空路線を維持・開設する方策を検討したものである. 航空会社と利用者の行動モデルを用いて路線の維持・開設可能性を分析した結果, 路線バス型フライトの導入によって状況を改善できる場合があることが明らかとなった. また, 路線自体では採算がとれないが航空企業の総利潤の増加に寄与し, 維持・開設可能となる場合が存在することが明らかになるなど, 路線と運航頻度の充実により航空サービスの改善を図ろうとする地方自治体に, 新たな可能性を見出すためのひとつの方法論を提案した.