2000 年 17 巻 p. 879-884
時差出勤が普及するためには, 企業にとって始業時刻を変更することにインセンティブが存在しなければならない. 鉄道通勤問題における始業時刻変更のインセンティブを考察するための理論モデルが永野, 奥村, 小林 (1998) により開発されているが, 限られたパラメータ値の組み合わせに対して時差出勤パターンが例示されているに過ぎなかった. 本研究はパラメータ値が連続的に変化する場合の時差出勤パターンの変化を分析している. パラメータ値の変化が実現可能解の個数と安定性に与える影響について, ダイナミカルシステム論の手法に基づく分岐図により考察した.