2001 年 18 巻 p. 73-79
現在, 路上工事の影響を縮減する種々の施策が講じられているが, 各施策の効果は必ずしも明らかにされておらず, それゆえ費用対効果の観点から既存の工事運営方法については検討の余地が大きいと思われる. 本研究では, 工事の社会的影響のうち特に渋滞による道路利用者の時間損失に着目し, 夜間工事現場の実態調査から道路利用者の遅れ時間損失を測定し, 都内の主要国道における工事渋滞費用のオーダーを示した. これは工事の社会的費用の一部に過ぎないが, 事業者の単独工事費用の2割程度に相当するものである. これを事業者に負担させるという試案に基づき, レーンレンタルシステム等の導入が事業者の意志決定に及ぼすであろう影響を考察した.