2002 年 19 巻 p. 495-503
近年、北海道と本州間の鉄道輸送網において、事故・災害による不通が多発している。鉄道輸送網の不通は旅客だけではなく、物資輸送にも多大な影響を与えている。本研究は鉄道貨物輸送における代替経路探索モデルを構築し、津軽海峡線貨物列車脱線事故と有珠山噴火災害に適用したものである。本研究で構築したモデルは時刻を考慮しているため、便毎に経路を探索することができる。そのため、運行頻度や発着時刻等を含めた代替経路の評価が可能である。また、現実に採用されている列車待機を代替経路の一つとして、表現できる。モデルを事故・災害事例へと適用した結果、フェリー航路が代替輸送に有用であることが明らかにされた。すなわち、今後はフェリーも鉄道貨物輸送における代替経路として考慮すべきといえる。