2002 年 19 巻 p. 823-830
近年, 我が国においても混雑緩和を期待した「ピークロードプライシング (混雑料金)」の導入が検討されている. しかし, フレックスタイム制度と組み合わせて実施する場合, 始業時刻の変更により混雑緩和以上に生産効率の低下を招く可能性がある. 本研究ではフレックスタイム制度下において社会的に望ましい定額混雑料金の課金額, 課金時間帯を理論的に導出し, 数値例によりその効果の大きさを明らかにした. その結果, ピークロード導入前に実現している通勤・始業時刻分布パターンに基づいて課金を行うと, 必ずしも最大の効果が得られないことを明らかにした.