2004 年 21 巻 p. 531-538
世帯特性と自動車保有, 交通行動との分析は, 少子高齢化, 核家族化が進む今後, 重要な知見を提供すると考えられる. 本研究では, 個人属性に加えて世帯形態も考慮した自動車保有台数ならびにトリップ発生量について分析を行った.
世帯別自動車保有台数では, 地域特性や世帯別免許保有者数との関連性があり, モデル作成を通じて人口密度と免許保有者数との交互作用が存在していることが導かれた. 一方, 交通行動では, 子供を有する世帯における配偶者の購買行動, 送迎行動が多い傾向が導かれた. これをもとに世帯別トリップ発生量モデルを構築したところ, 世帯人数が少ない世帯において個人単位で推計した場合より小さな結果となった.