2006 年 23 巻 p. 551-558
公共交通需要が薄いケースでの適用が期待されているDRT (需要応答型交通) は, 人口低密度地区を中心に運行事例が増えているが, 都市部においても身体的な理由で路線バスを利用できない層などをターゲットにした導入が期待できる. 本研究では, 多摩ニュータウン地域におけるDRTの実験運行を例に挙げ, 都市部でDRTを導入した場合にモビリティが向上するグループを明らかにした. また, ミーティングポイント (停車地) の配置形態と単位時間で発生する需要との組み合わせにより, どのような運行形態が適しているのかを分析するとともに, DRTの導入適性がある利用者数の範囲についても検討を行い, 都市部でDRTを導入する際の課題も整理した.