抄録
観光地や商業地等で多くのTDM施策が提案されてきたが、それらの提案が本格実施に至った例は多くない。その理由は様々であるが、取り組みを再評価し、方向性を確認すべき時期だと思われる。そこで、本研究ではひとつの仮説の元、お客様であるD (需要) を「おもてなしする」という発想の転換を試みるため、TDO (Transportation Demand Omotenashi) なる概念を提案してみた。まずは、交通システム側に着目し、商店街に対してアンケート調査を行い、TDM的発想をTDO的発想に転換することで、施策の受容性がどの程度高まるかを分析することとした。分析の結果、TDM的発想をTDO的発想に転換することで、商店街における施策の受容性が高まることが確認できた。今回は仮想的に施策を導入した場合を評価してもらったが、今後は実際にTDO施策を導入した時の効果の検証が必要である。