抄録
本研究では, 公共プロジェクトを対象とした討論過程のプロトコル分析を通じて, 討論参加者間の認識のイー致を検証するための方法論を提案する. 具体的には, 討論参加者の発言をファセット理論に基づいて分類することによって, 参加者間の認識の不一致や意見対立状況, および討論過程における会話パターンを明確化する. その際ある公共プロジェクトの是非をめぐる討論会議の速記録を分析の対象として取り上げ一連の分析手法の有用性について検討する. 最後に, 本分析手法を実際の公的討論過程に実践する上での留意点につじて取りまとめる.