2007 年 24 巻 p. 191-196
輸送費の変化による工業の都市集積現象のメカニズムを表現したKrugmanの提案したモデルは, 複数の均衡解を持つことが知られている. しかし, 地域 (都市) 数が2と3の場合については, その特性に関する多くの分析がなされているものの, 都市数が更に増加した場合における輸送費変化による人口の空間的 (地域・都市間) 集積・分散パターンの分析に関しては十分な知見が得られていない. そこで, 本論文では, Krugmanモデルを円周上に位置する同一の人口を持つ多都市モデルへと拡張し, 計算分岐理論による数値解析法により, その可能な解を網羅的に求め, その適用可能性を示す.