抄録
本研究は歩行ナビゲーションの普及, 発展がもたらす新たな都市デザインを研究するため, ケータイナビ探索者と地図記憶探索者の歩行探索時注視特性を対象とし, 探索者の属性による注視特性の差異を明らかにすることを目的としている. 先行研究と既存研究を基に仮説を立て, 各属性6名ずつの被験者に視線追跡装置を装着した状態で, 山梨県甲府市中心部において自由経路歩行探索実験を行った. 実験の結果, 合計約30時間分の注視データを得て, 注視点移動軌跡図と画像解析を用いた分析により, 実験回数が増加すると地図記憶探索者は見方に変化が現れるのに対して, ケータイナビ探索者は見方に変化が現れない傾向があることを示した.