抄録
本論文では, リンクでの流入台数と流出台数を明示的に区別して考えることにより, 静的配分の枠組みでは取り扱いが困難なリンクレベルでの渋滞進展を表現できる時間帯別配分モデルを構築した. より具体的には,(1) 静的配分と動的配分の長所を取り入れた時間帯ごとの枠組みで考え,(2) 時間帯間での待ち行列の進展を表現するためにリンクの状態方程式を導入し,(3) 各時間帯で利用者均衡状態を仮定した. 次に, 構築したモデルが非線形相補性問題の枠組みで統一的に表現できることを明らかにした. さらに, 非線形相補性問題を解析し, DUE, DUO配分との関係を明らかにした.